カチオン電着塗装とは

アメリカでは工業塗装分野で利用され始めて以来、防錆性・つきまわり性等が優れているため、自動車・家電・住宅建材・各種部品メーカー等で広く採用されています。
塗装法は被塗物を電着塗料中に浸漬して、被塗物を陰極(-)、塗料タンクを陽極(+)とし、この間に直接電流を流し、帯電した塗料を被塗物に付着させることにより、優れた塗膜を形成する方法です。
この方法によれば、塗料は狭い空隙まで入り、全表面に均一な膜厚で塗装され、通電後塗料から引き上げた時、水に不溶で、かつ含水率の少ない塗膜が得られ、完全な焼付を行なうことができます。

カチオン電着塗装の特長

1.耐食性が非常に優れています。

樹脂が高分子のエポキシ樹脂で、アミノ基導入により塗膜がアルカリ性のため、耐食性に優れています。

2.耐塩性に優れています。

エボキシ系塗料使用のため、耐塩性に優れています。

3.重金属フリーです。

鉛やクロムを使用していません。

4.シックハウス対応型です。

ホルムアルデヒド標準値0.05ppm以下となっています。

塗料の成分

(含有率%) サクセード#3500ECO (LF) DN-7
F-1 F-2
樹脂 アミン変性アクリル樹脂 14.0 0.0
アミン変性アクリルウレタン樹脂 0.0 31.0
顔料 着色顔料 30.3 0.0
防錆顔料 1.7 0.0
溶剤 エステル類 5.0 4.2
グリコールエーテル類 1.0 0.0
アルコール類 0.0 2.8
中和剤 0.5 0.5
添加剤 0.6 0.0
純水 46.9 61.5
100.0 100.0

メラミン焼付塗装の比較

  カチオン電着塗装 メラニン焼付塗装 試験条件
塗料 サクセード#3500ECO(LF) DN-7 N-70 グレー  
焼付条件 150℃×20分 140℃×20分 熱風循環電気炉
膜厚 25μ 30μ ケット電磁計
外観 目視
光沢 72.0 98.0 60度鏡面反射率
ゴバン目 100/100 100/100 1mm間隔 畜針セロテープ
耐屈曲性 Φ4mm
耐衝撃性 50cm 45cm デュポン式500g×1/2’×cm
鉛筆硬度 2H H 三菱鉛筆ユニ
耐食性 480H 2mm以下 72H 1.5mm以下 JIS Z 2371
クロスカット3mm以下
耐酸性 1% H2SO4 20℃×24H
耐アルカリ性 1% NaOH 20℃×24H
促進耐候性 81.5% 90.5~96.4% 200H
光沢保持率70%